工業化されていない技術の実用化

きっぱりと冬が来た
八っ手の白い花も消え
公孫樹の木もほうきになった
(高村光太郎 詩集 道程)
「智恵子抄」と並んで高村光太郎の詩集として知られる「道程」の中の冬が来たの最初の一説です。
今年は首都圏一体の公孫樹は12月に入っても緑色の葉がたくさん残っていましたが、冬らしい季節になってきました。
お元気ですか。
福島原発の事故以来、世界の原子力に対する風当たりが強く、日本でも原発反対の市民運動が盛んで、菅内閣も原発に厳しい姿勢を示しましたが、原発廃止後に太陽光や風力だけでは必要電力の精々20%を充当するのが限度でしょう。
ただ実験的には可能でも工業化されていない技術を実用化する努力は、資源小国の日本の国益にかなうことです。

 例えば海の波の上下運動を大きなシリンダー内に導き、波が上がる力でシリンダー内の空気を圧縮してタービンの羽根に吹きつけ、下がる時はシリンダー内に吸い込む、空気の流れでタービンを廻すことは、流体を一つの方向にしか流さないチェックバルブと組み合わせれば可能です。

 また、太陽光線を各種の鏡やレンズで一つの区画の中心に集めると、溶鉱炉内と同じ温度が作れます。その区画内の高温の空気でガスタービンを廻して発電できます。

砂漠地帯の諸国と合弁で発電所を作り、海水を電気分解して水素と酸素を作り、液化して輸入すれば、同じ目方なら石油の3倍の発熱量がある水素を内燃機関と燃料電池の両方に利用でき、石油燃料を大きく減らせます。海水の温度差を利用して低圧タービンを廻して発電する事も出来ますが、以上の例は実験では可能であり、実用化を待つものばかりです。

 事業仕分けで、こういう技術の実用化に思い切った予算措置を講じれば、原発や炭酸ガスを減らし大きな経済効果も期待できます。

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