地震に強い家とは

海や山が人を招く夏が目の前です。体調を整えて暑さに備えましょう。
さて、四川大地震の報道はまだ耳新しいものですが、大きな地震帯がポルトガルから地中海沿いにトルコ、小アジアへ伸び、中央アジアを経て四川、甘粛、峡西、山西、河北各省へ一本と、インドと中国の国境沿いに一本伸びており、日本の太平洋側にも大きな地震帯があるようです。
次に示すのは、記録に残る死者10万人以上の地震ですが、全て上記の地震帯で起きています。

発生年代 発生場所 死者(万人)

1556 山西峡西 83
1731 北京 10
1737 カルカッタ 30
1908 メッシナ 16
1920 甘粛 18
1923 東京 10
1976 唐山 24

私は幼少時、河北と山西の地で暮らしましたが、地震の体験は無く、建物の大半は粘土と刻んだ芦や茅を捏ねて形作り、植物繊維で種々方向の曲げや引張りを吸収して、芯の竹材等が横応力を支え、その外側をレンガで整形するものでした。外観は立派でも横揺れで倒壊すると一瞬にして原形を留めない瓦礫の山になります。

地震に勝つには強度の他に波動の性質を利用し、応力を分散させたり弱めたりする必要があります。
波動の理論は面白いが際限が無いので、40年近く前に海上自衛隊が青森方面で体験した十勝沖地震を参考にした話をします。

家は埋立地を避け、削った土地に建て、波動の横応力は建物の接地部や各階の床部分で最も強いので、それらの箇所では四方の柱を縦・横・対角線上に柱と同程度の強度の部材を組み込んでつなぎます。

かすがいや釘は有害無益です。横壁と出入口や窓の両側の壁にも対角線上に補強材を入れます。
高い建物ほど下の階の荷重が大きいので、補強を怠ると一・二階が完全に潰れる恐れがあります。
ロッカーや箪笥は一見不安定ですが、セパレーツの方が建物の振動と位相や周期がずれるので転倒しにくいそうです。
置き場所は壁から5~10㎝離して、建物の横揺れ振幅を直接受けないようにし、壁に緩やかにつなぐのが良いようです。床に固着しても、床を破壊して倒れてしまうそうです。

古代中国で黄河の治水で水を陻(ふさぐ)と障(さえぎる)で対応しようとして失敗した鯀と言う人物は罰せられ、その子の禹は、疎(とおす)と導(みちびく)で成功しましたが、地震との戦いもこれに似ています。

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