イラク派遣隊員の体験談を聞く夕べ

猛暑の夏も終わり、味覚の秋となりました。
美術を愛で、紅茶を楽しむ候、どうお過ごしでしょうか。

 テロ特措法が話題となっていますが、現在ゴラン高原、インド洋、クウェートで陸海空の隊員が厳しい環境下で国際貢献の任務に励んでいます。

 国内の災害派遣時の活躍と併せて自衛隊の活動自体は日本国民に認知されています。

 しかし、「安全保障」ということには、極端な拒否反応を示し、自衛隊を「災害救助隊」に改めろとか、国際貢献には「緊急援助隊」を編成しろという声もあります。
非武装中立論の後遺症で「自衛隊は好ましくない武装集団」と見る人たちもまだ存在します。

 しかし自衛隊は強い責任感をもって国や社会に奉仕し見返りを求めない人々の集まりで、慎ましく咲く花の精を心とする市民のための集団という事実を理解して欲しいものです。

千葉自衛隊協力連合会が主催、隊友会と父兄会が共催、千葉地本・習志野・下志津駐屯地広報が協力して9月8日「第9次イラク派遣自衛官体験談を聞く夕べ」が千葉市文化センターで開かれました。

第9次群長小野寺靖1佐の「支援活動の概要と意義」、警備責任者島村進3佐の「活動における隊員の任務と素顔」、渉外担当の女性自衛官横山尚子1尉の「目にしたサマーワ」等、全分野を網羅する素晴らしい話が2時間余り、良く編纂された綺麗な画像を駆使して行われ、200人余りの聴衆を聞き入らせました。

この翌日のテレビ番組で、1人の民主党議員がテロ特措法の討論中に佐藤正久氏を引き合いに「現場だけの兵隊出身の参議院議員…」という無礼な表現をして石破元長官(当時)に「生命を張って現地で頑張ってきた人に、極めて失礼だ」と撤回を求められ、「政治家の立場の違いを言っただけ」と釈明しました。

小野寺群長以下の話を聞けば、この議員は自分の中身のお粗末さを恥じるでしょう。

自衛隊の計画立案の過程は、歴史、衣食住の文化、宗教、習慣、動植物の分布、内外政情、国民性、社会の特性等を緻密に分析して計画案を作成します。
 これに可能性・適合性・受容性について検討を加えて綿密な計画計画を作りますが、実施に際しては連続情勢判断を行い柔軟かつ迅速に指揮官が現実に対応します。

軍事や国際法に一知半解な要素しかない政治家の瑣末な議論など足下にも及ばぬ奥深く、精緻な思考過程を経た計画に基づき、すぐれた統率力の下で、個人の多様な得意技が一つの組織にまとめられ、千人力、万人力に高められ、イラクで自衛隊の真価が示されたことがよく語られたデータでした。

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