国際法のすすめ(4)領海、近海での不審船への対応について

 日本の近海で、不審船がときどき騒動を起こします。

 原則として我が国がどう対応するのかについて、話すことにします。

 多くの国は、海軍や警察の船が不審船を取り締まるのですが、海軍の軍艦は外敵と戦い自国の安全を守るのが役目ですから、臨検をして犯罪の疑いがあれば警察機関に引き渡します。

警察は、犯罪の予防や取締りが役目ですが国際法上は戦闘集団ではありませんので、相手が軍艦の時は海軍の出番です。

その点今の日本では、何でも海上保安庁にさせる傾向があるのは問題です。
正規軍以外の人たちは、義勇兵や民兵のような組織を編成し、軍の指揮系統に組み入れ、戦闘員として外国に認定させてからでないと、犯罪者や殺人者と同等の扱いを受け死刑を含む厳罰に処されます。

 日本の領海内で、不審船が自衛隊や海上保安庁によって追跡され領海の外に逃れても、日本は公海上まで追いかけて強力行使を行うことが認められています。

ただし、逃げる船が外国の領海に入ったら追跡を止めなければなりません。
そして、その船が外国の領海から出てきても、もうこれを追いかけたり捕らえたりすることは出来ません。

 ただ、海洋法で各国は、自国の沿岸で「奴隷(人身)売買」、「麻薬取引」、「海賊行為」のような犯罪を積極的に取り締まる義務があり、現行犯や限りなく現行犯に近い場合には、公海上で取り調べることが出来ると思います。

 戦後の日本は、「平和主義」の美名のもとにこういう国際法上の義務を果たすことを怠ってきました。

「為すべき事を作(な)さざる罪」すなわち「不作為の罪」を重ねてきた結果、外国から「国家の品格」を疑われてきたばかりか北朝鮮による日本人拉致の大きな誘因ともなってきたように思います。

 不審船取締りは、日本の権利であると同時に、国際的な義務でもあると言うことを認識する必要があります。

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